耐震シミュレーションwallstat(ウォールスタット)は必須アイテム

耐震シミュレーションwallstat(ウォールスタット)というソフトがあります
wallstatの目的は「地震による住宅倒壊のリスクを可視化する事」です
木造在来工法の構造をPC内に構築し地震動を加えるとどのような挙動をして
どの様に崩壊するかが動画で確認できます

画期的なソフトである事と無料であることに惹かれて攻略本を購入して使ってみました
その評価は設計者に超おすすめ、建て主の方でも理科系こだわり派の方なら使いこなせると思います

・簡単に入力できる
・分かりやすい動画で出力される
・どこを改善すれば良いか一目瞭然で耐震設計が簡単

であることが分かりました
これを使えば耐震性の向上が簡単に出来ますのでみなさんに使っていただきたい
と考えて報告をさせていただきます



sponsored link


wallstat(ウォールスタット)の目的

wallstat(ウォールスタット)の目的は
『地震による住宅倒壊のリスクを可視化する事』です
まずはこれを見てください
建築基準法で決められた壁量通りの耐震等級1で設計した場合です

今設計している貴方の家がこうなったとしたらぞっとしますね
家財道具だけではなく命の危険も感じます

この動画はほっとスマイルハウスさんのご協力で公開させていただきます

wallstat(ウォールスタット)の使い方

wallstatは怖がらせるのが目的ではありません
これを見ると「構造を改善しなければ!!」というモチベーションが
めちゃくちゃがりますね

操作が簡単なのでここに筋違を入れたら…壁量を大きくしたら…
とやってみたくなりますね


耐震等級3にしてみると

上の住宅を耐震等級3にすると

何という事でしょう(ビフォーアフター風に読んでください)

あんなに簡単に倒れてしまった建物がしっかりと立っています
これならまずます死なずに済みそうです(次の次に続く)

損傷程度の色分け

wallstatだと被害の状況が一目でわかります
グレーは変形角が1/120以下で損傷無
黄色部分は変形角が1/120~1/60で小破
オレンジ色部分は変形角が1/60~1/30で中破
赤部分は変形角が1/30以上で大破

となっています

耐震等級3でも中破とは

何という事でしょう(ビフォーアフター風に読んでください)
耐震等級3でも1階の南面と北面がオレンジ色になっています
損傷を受けているようですね
オレンジ色は中破です
改修に多額の費用が掛かる中波の部分が有るのです
こちらの方に「何という事でしょう」と驚きます
鳴り物入りの耐震等級3も…ですね

耐震等級3以上の設計

鳴り物入りの耐震等級3も…ですね
とがっかりする必要はありません
耐震等級3以上の耐震設計を下の
耐震等級3以上の耐震性は意外と簡単に得られる?」に詳しく書きます
ご覧ください

wallstat(ウォールスタット)の入力方法

wallstat(ウォールスタット)の使い方を簡単に説明します
詳しくは攻略本をご覧ください

wallstat入力画面

wallstat(ウォールスタット)の入力は下のような画面に
柱、横架材、床、屋根、壁、筋違などの構造材をマウスで入力していきます

wallstat入力画面
wallstat入力画面

荷重や地域などは「設定」から入力します

wallstat入力画面立面

下がり壁や腰壁などは立面から入力します

wallstat入力画面立面
wallstat入力画面立面

wallstat構造モデル

入力の終わった画面です

wallstat構造モデル
wallstat構造モデル

屋根が無いのでちょっと寂しいモデルになっていますが
wallsutatの解析上ではR階の床剛性と荷重が入力されていれば計算上は問題ない
という事です

見た目上の屋根の入力は可能ですがまだやった事はありません
この画面の右下の計算をクリックして計算に進みます

計算設定

計算設定で地震動の種類や強度をして試計算してから計算に進みます

計算設置
計算設置

計算中

計算中はこんな感じでPCが頑張っている感があります

計算画面
計算画面

計算には数十分かかることがあります

結果読込

計算が完了したら入力画面の結果読込をクリックします
ポップアップ画面の開くを押して

計算結果読込
計算結果読込

入力が完了したら結果表示をクリックして表示します



sponsored link


wallstat(ウォールスタット)の開発者

こんなすごいソフトを無償で提供しようと考えた方は
京都大学生存圏研究所の中川貴文准教授という方です
東京大学大学院修了後民間企業を経て
2005年に国土交通省国土技術政策総合研究所及び建築研究所に入省
木造の耐震の研究に従事
2010年12月に無償公開
なるほどと思う経歴ですね
wallstat(ウォールスタット)のアイデアは学生時代のもので
2015年にwallsutatsutudioというインターフェースが完成して
一般にも使えるようになったそうです

今でも日曜大工的にプログラムのコーディングをされているそうです
賞賛すべき人だと思います

wallstat(ウォールスタット)のダウンロードと攻略本

wallstatは下の
京都大学中川研究室」のサイトから無料でダウンロードできます

ウォールスタットDL
ウォールスタットDL

ソフトをダウロードするとマニュアルが付いてきますが
情報量が多いので下の攻略本の購入をお薦めします
攻略本の『耐震シミュレーションwallstatガイド』はアマゾン他で3850円で購入できます

ウォールスタット攻略本
ウォールスタット攻略本

wallstat(ウォールスタット)のまとめ

wallstat(ウォールスタット)は
操作が簡単で誰にでも操作できて
結果を動画で見ることが出来て構造の欠点が明示され
耐震性の向上のためにすべきことが明確にわかり
変更の結果もすぐに確認できる
という事が確認できました
早速弊社での計画案作成時には常に利用することにしました

 

 

この記事を書いた人

atoriekojima