家作りではほとんどの方が日当たりの良い土地と住まいを希望しています。
いくつもの理由が挙げられますがDNAに刷り込まれた根源的な欲求だと感じます。
・土地選び
・設計の初期段階
・設計が進んだ段階
それぞれの段階で、日当たりシミュレーションを行ってその結果を見て適切に対処することで日当たりの良い家を手に入れることが出来ます。
シミュレーションにかかる出費と時間は家づくり全体から見れば小さなものです。
日当たりが悪くて「こんはずではなかった」と後悔した話がたくさんあります。
そうならないためにも日当たりシミュレーションをして「日当たりが悪いのではないか?」という不安を取り除いて明るい気持ちで日当たり以外の夢の家作りに望んでいただきたいと思います
家作りに当たって日当たりシミュレーションをするべき5つの理由
日当たりの良い家は心地よく健康的です。
日当たりの悪い家は陰気で不健康な感じがします
そんな感じがするというだけではなく実際に下のようなデメリットがあります
暗くて陰気になる(採光効果)
冬に底冷えする(温熱効果)
ジメジメする(湿度調整)
体内リズムが狂う(健康効果)
ストレスがたまる(複合効果)
詳しくは下の記事をご覧ください
日当たりシミュレーション、3つの段階そのツールと対策
日当たりシミュレーションは
・土地選びの段階
・設計の初期段階
・設計が進んだ段階
の3つの段階で行いますが、それぞれ使用するツールや注意したいポイントが異なります。
1.土地選びの段階
土地の購入にあたっては何度も現場に足を運び
敷地や周辺環境やハザードマップなどなど様々な観点から調査をして把握・理解することが必要です。
日当たりに関しては現地に行った時間や季節や天候などでイメージが大きく変わります
夏の太陽の高い時期に現地に行って「明るい敷地だな」と思っても、冬にはどうなるか、南側に建物が立ったらどうなるかなどを検証しておかないと「こんなはずではなかった」と後悔することになりかねません。
土地選びの段階で失敗してしまうと、後の設計段階でフォローしようとしても何ともならないこともたくさんあります。
一生の、オーバーに言えば孫子の代まで影響することです。慎重にシミュレーションして判断することが大事です。
1-1サンサーベイヤーで現状把握
日当たりに関しては現地に行った時間や季節や天候などでイメージが大きく変わります
現地に行ったときの季節や時間に関係なく春秋分、冬至、夏至の太陽の軌道を把握する方法があります
それが日当たりシミュレーションツールの
「サンサーベイヤーライト」や「サンシーカー」や「太陽軌道」といったスマホのアプリです
これらのソフトは日の出日の入りの時間と場所、軌道が表示されるアプリです。現場でいつ・どの方角に太陽があるのかを確認することができます。
「北九州の建築士 小林」さんが動画で詳しい説明をしてくださっています
無料版と有料版がありますが、無料版では太陽の出入りの時間、場所、軌道がグラフ表示されるだけなので、マイホームの日当たりシミュレーションを行う場合は、有料版の利用がおすすめです
有料版では、ARカメラを使用することで、カメラに写った画像と太陽の軌道を重ねて表示できるようになります
サン・サーベイヤー・ライトはスマホの位置情報を利用して太陽の位置や動きを計測しているため、シミュレーションを行うにあたっては、あらかじめGPS情報が正確かどうかを確認しておく必要があります
アプリの上画面に表示されている住所にズレがある場合は、画面右上のボタンをタップして、あらかじめGPS情報を更新しておきましょう。
1-2、「日当たり君」で将来予測
開発中の造成地で回りの家がこれから建つような場合にはサンサーベイヤーでは土地の日当たりはわかりません。そんな時には「日当たり君」という無料ソフトが有効です
「日当たり君」で確認してほしいのは下の画像です外壁日影と呼んでいます
計画中の建物の外壁にどのように日が当たるかを見てください。「日当たりのあるところに日当たりの欲しい部屋と窓を作る」これが日当たりの良い家になるポイントです。
- これから住宅を建築、あるいは土地を購入しようとする、一般の方向けの「日当り」をシミュレーションできる無料ツール(フリーソフト)です。
- 自宅に対して、周辺の建物や樹木が作る日影を、時刻別に1年間を通して計算できます。
- どなたでも5分で簡単に入力できます。
平面図上に、自宅と日影のもとになる隣の建物や樹木を配置するだけです。 - 3Dのアニメーションで、シミュレーション結果をわかりやすく確認できます。
「どなたでも5分で簡単に入力できます」に関してはちょっと怪しいですがゲームやPCの得意な方にはそれほど難しくは無いと思います
2.設計の初期段階
土地選びが完了し、いよいよ家を設計する段階になったらより細かな日当たりシミュレーションが必要になります。
そこで活用したいのが、株式会社インテグラルからリリースされている「住宅性能診断士 ホームズ君」です。
2-1ホームズ君による設計初期段階の日当たりシミュレーション
設計初期段階には下の画像のようなシミュレーションを行います難しいと思わないでご覧下さい
このような画像があれば
・敷地のどのあたりが隣家の影になり
・どのあたりに日あたりがあるか
一目でわかりますね。
濃いグレーのところには部屋や窓を配置しないで
薄いグレーや色がついていないところに部屋や窓を配置すればよいということが分かります
かつてはこのような画像がなかったので
設計図を説明する時に、なかなか敷地の日当たりの状況を理解していただけなくて苦労しましたが、この画像を見れば誰にでも状況を理解していただくことが可能です
3.設計が進んだ段階
設計が進んだ段階でのシミュレーションは確認作業と考えられます。
敷地選びでサンサーベイヤーや日当たり君でシミュレーションをしました。
設計初期段階ではホームズ君で建物の位置や窓を配置する位置をシミュレーションしました。
その通りにできていれば日当たりの失敗はありません。
けれども住宅設計では動線や構造や設備などそれぞれの都合を調整しなければならないので
シミュレーションの結果を反映できていないことも考えられます。
設計の進んだ段階でシミュレーションして確認することが必要となります。
3Dマイホームデザイナーによる日当たりシミュレーション
まずは下の動画をご覧ください
説明が何もなくてもどこに日が建っているかわかりますね
日が当たっているところに日当たりの必要な部屋があって窓がついていれば日当たりの良い家になっています。
このような動画を「外壁日影動画」と名付けて使っています
外壁日影動画
外壁日影動画は、建物の外壁に近隣の建物が落とす影を表します
外壁にどのように日が当たっているのかを確認できます
チェックポイントは
・近隣の建物の影が何時ごろどのあたりに来るか
・逆に言えば建物のどの部分に日当たりが良いか
を確認することができます
その部分に窓を付けると日射しが部屋に入ります
春秋分が年間の多くの時期を代表し
夏至や冬至は特別な日になると考えると良いと思います
冬至と春秋分は日当たりがあるように考え=日射取得
夏至には窓に日が当たらないようになっていることが大事です=日射遮蔽
これが出来ていないと「日当たりが良すぎる家」で紹介した様な弊害が起こってきます
日射遮蔽できているかどうかをチェックしましょう。
3Dマイホームデザイナーで日当たりシミュレーションする理由
日当たりシミュレーションはホームズ君やCADソフトなどでも可能ですが
私は3Dマイホームデザイナーでシミュレーションしています
・入力に時間がかからない
・表現がリアルで直感的な理解が可能
という理由で選定しています
「日当たりの見える化」に最適だと考えています
【季節ごとの各階の日照動画】
シミュレーションは外壁日影動画のほかに各階日照動画を作成します
季節ごとの各階の日照動画では下のような動画を作成します
天井から床を見た鳥観図に窓から入る日差しが床に当たるところを
他の部分よりも明るく表現したものです
いつどこに日が当たるか一目瞭然ですね
設計図を作っている段階でイメージした通りであればよいのですが
大きく異なるようであれば、外壁日影で確認した日当たりのある部分に窓を付けるといった方法で改善することが可能です。
ここまで日当たりシミュレーションをしてみれば
「こんなはずではんかった」といわないで済むことがお分かりになると思います
日当たりシミュレーションをして日当たりに関しての不安を無くして安心して他の要素に取り組めるようにしてください。
日当たりシミュレーションは下のリンクからお申し込みください
図面から一目で解る日照動画を作り改善案を提案します 「こんなに日当たりが悪かったなんて」と後悔したくないあなたに
まとめ
日当たりシミュレーションを100件以上行ってきましたが(2022.03.30時点)今でもこんな日当たりになるのか?と予想と違った結果を目にすることがあります。
「だろう運転は事故の元」といわれるように確認して置けば無事なのに確認しなかったばっかりにひどい目に合う。そんなことは避けていただきたいなと思います。