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耐震・制震・免震・減震その解説とおすすめ~地震に強い住宅①~

 
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あなたの大切な住宅、地震対策は万全でしょうか?

住宅の構造体の地震対策には耐震・制震・免震の3つの方法があるとされています。

個人的には「減震」を加えて4つの方法としたいと思います。

それぞれの内容を分かりやすく解説します。

また実際の設計にどう生かすか実例を上げて考えます。

 



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耐震・制震・免震・減震の違い

建物の構造の地震対策には耐震・制震・免震・減震の4つの考え方があります。

言葉だけではわかりにくいので簡単な絵を描いてみました。

取り付け位置

取り付け位置はおおむね下の図のようになります。

制震装置は様々な形状があって取り付け方法も色々あります。

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力の伝わり方と効果

力の伝わり方と効果は下のようになります。

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「耐震」は地震力がそのまま建物に伝わります。

「制震」も地震力がそのまま建物に伝わります。

制振装置は建物が変形して初めて機能が働きます

変形し始めてからの時間をどれだけ短くするか、初期段階でどれだけ効果を上げることが出来るかが競われています。

「減震」と「免震」は地震の揺れがそのまま建物に伝わらないようにする方法です。

「耐震」とは、その意味と現状

「耐震」は建物が地震力を受けて変形し、その結果倒壊するということがないように、筋違や構造用面材などで構造壁を作って変形しにくいように剛性を持たせる方法です。

柱と梁や土台で構成された矩形に筋違や構造用合板等を取り付けて剛性を高めます。

下の図はニチハさんの画像をお借りしました。

出典:ニチハ

左が筋違、右が構造用面材です。

どちらも柱と梁で囲われた四角を変形しにくい構造壁にしています。

建築基準法が出来た当時は関東大震災程度の地震でも倒壊しなように定められました。

  • 大きな震災があるたびに構造壁の必要量が上乗せされてきています
  • 耐震強度を超える力が掛かると破壊されて元には戻りません
  • ニチハさんの写真でも分かる様にいろいろな面材があって強度を出すための工夫がされています
  • 人や財物に被害のないようにある程度の被害はあっても倒壊はしない状況が目標

といった特徴があります。

 

「制震」とは、その意味と現状

「制震」とは建物に伝わった地震力を制震ダンパーなどの制震装置を用いて減衰させて構造体にかかる負担を小さくする方法です。

制振装置は地震力を減衰する仕組みにいくつかの方法があり、沢山のメーカーが沢山の商品を作っています。

制振装置は建築基準法への記載や統一された規格等はありません。

出典:日本制震システム株式会社

上の写真はオイルダンパーの一例です。

構造壁の縦横の材料にダンパーを取り付けるタイプで壁を変形させる力に抵抗して減衰させます。

制振装置に共通する特徴として繰り返し襲う大きな余震に強い事が挙げられます。

熊本地震で起こった前震と本震のように続けて起こる地震でも構造体へのダメージを抑えることが可能です。

沢山のメーカーが競い合う事で大分使いやすい価格になってきています。

制振装置については別項目を設けてご紹介したいと思います。

 

「免震」とは、その意味と現状

「免震」は地震で地盤が揺れても建物に揺れが伝わらないようにする考え方で、基礎と上部構造の間に免震装置をはさんで地震力が伝わらないようにする方法です。

上部構造に地震力が伝わらないのですから究極の地震対策ですね。

免震装置は東京駅などにも使われていてニュースになっているのでご存知の方も多いと思います。

住宅用免震装置

住宅用の免震装置は何社かが供給しています。

免震装置の取り付けは基礎と上部構造の間です。

そのため上部構造の荷重をまとめて免震装置に伝える部品が必要になります。

下図の免震架台の部分です。

 

出典:THK株式会社

免震架台の上に土台を敷いて家を建てる事になります。

とても大きな仕掛けが必要ですね。

1棟当たり200万円とかの高額な費用が掛かると言われています。

あまり現実的では無いように思えます。

 

一条工務店の免震工法

免震工法の工事の実績が多いのは一条工務店です。

出典:グッドデザインアドワーズ

一条工務店の公式サイトでは1ページしかなく開発の経緯や受賞の記録などが中心であまり情報が多くないのが残念です。

上の画像はグッドデザインを受賞したときの記事からお借りしました。

気になる価格については「一条ハイブリッド免震構法で約280万、免震工事用オプション約20万、基礎工事で約20万でした(基礎は約20坪、第2種地盤)。」

という記載がありました。

東日本大震災のとき、一条工務店が神奈川県内に建てた2棟の免震住宅に被害が出たといううわさに関して

  • 神奈川県内の2棟の免震住宅に被害が出たというのは事実。
  • おそらく共振により振幅が増大し、スライダーがプレート上から外れた。

という回答があったとの記載もありました。

一条工務店として、あまり熱心には薦めていないのかも知れません。

 

免震装置なしのSP免震基礎工法

大げさな免震装置なしで免震ができる方法があります。

SP免震基礎工法です。

 

出典:日本ブレードパイル協会

上の図だけではわかりにくいですね。

ポイントは

  • 鋼管杭で強固(=揺れにくい)な支持層で支持する
  • 鋼管杭はばねのようなしなやかさがあり免震装置(=揺れを伝えない)の働きをする
  • 軟弱な表土ほど有効

という事です。

公式サイトには

「国土交通大臣認定の「bDパイル」という回転埋設鋼管杭を使用し、地震による建物の揺れを大幅に減少します。」
とあります。

この内容は
免震工法が大臣認定ではなく
回転埋設鋼管杭の「bDパイル」が大臣認定された商品という事だと思います。

 

最近は新築時に地盤調査が義務付けられています。

軟弱な地盤で杭などの対策が必要な敷地の場合には検討したい工法です。

SP免震工法の代理店の分布をみると静岡県を中心に東南海沖地震の危険が叫ばれている地域が多いように思えます。

地震の危険が切実な地域に普及しているのだと思います。

 

「減震」とは、その意味と現状

減震という言葉を使っているのはSMRC株式会社の摩擦ゲンシンパッキンUFO-Eだけであまり一般的な言葉ではありません。

そのためタイトルに減震という言葉を入れるかどうか悩みました。

今後の展開を考えると必ず普及されて一般化すると思います。

ここでは耐震・制震・免震と同列の物として取り上げます。

摩擦ゲンシンパッキンUFO-Eの仕組み

下の動画は33秒です。

これだけで主な特徴が理解できますのでご覧ください。

UFO-Eの仕組みは非常に簡単です。

基礎と土台の間に置いて使います。

基礎に伝わった地震力はUFO-Eを構成する2枚の鋼板の下の板に伝わります。

上の板に伝わるときに、2枚の板の間で滑りが生じます。

その時の摩擦抵抗で地震力が減衰されます。

摩擦ゲンシンパッキンUFO-Eの性能

「阪神淡路大震災クラスの800galの大型地震を300~400galにまで減震します。」

とされています。

地震エネルギーのピークがカットされると構造体へのダメージを抑えることが出来ます。

摩擦ゲンシンパッキンUFO-Eの価格

住宅の規模にもよりますが20~50万円と使いやすい価格です。

摩擦ゲンシンパッキンUFO-Eのその他の特徴

基礎と土台の間に施工するので1階の床の工夫で1階から地震の揺れを抑えることが可能です。

多くの制振装置は土台から2階の床梁の間に設けるため1階の床には制震のメリットがありません。

摩擦ゲンシンパッキンUFO-Eならではの効果と言えます。

床下換気の基礎パッキンとしての機能もあり、施工も基礎パッキンと同様で施工性が良いと言えます。

 

耐震・制震・減震の問題点と実際

耐震・制震・免震・減震の違いは何となくお判りいただけたと思います。

具体的にどうすれば地震に強い住まいが手にはいるのかそこが知りたいですね。

 

耐震等級3と耐震の限界

まず考えられるのは耐震性能の向上です。

最近「耐震等級2以上、できれば等級3を希望」というお客様が増えてきました。

耐震性能に対する意識が高くなって良いことだと思います。

下の画像は「ジブン防災静岡」さんのブログからお借りしました。

出典:ジブン防災静岡

耐震等級は1、2、3とあって

耐震等級1は建築基準法の基準通り

耐震等級2はその1.25倍の耐震性能

耐震等級3はその1.5倍の耐震性能

です。

2倍3倍は無いの?」と突っ込みたくなりますね。

実は、、、

基準を作ることは出来てもその基準で建てた建物は機能的に役に立たないのです。

木造住宅の耐震性能は構造壁の量で決まります。

構造壁を2倍3倍の量にすると窓もドアもない家になってしまいます。

これでは役に立ちませんね。

という事で耐震等級は3まで建築基準法の基準の1.5倍までしかありません。

これが耐震による地震対策の限界です。

文章で書くとこれだけです。

実際の設計で考えてみましょう。

 

耐震・構造壁の作りやすい家、作りにくい家

耐震のための構造壁を作りやすいケースと作りにくいケースがあります。

下のような2つを比較してみましょう。

道路に対して横長の敷地と縦長の敷地です。

tateyoko横長の敷地は玄関ドアや窓を作っても壁が残ります。

この部分が構造壁に出来ます。

ところが縦長の敷地だと玄関ドアと窓を付けるとほとんど壁がなくなります。

窓を小さくしたり無くしたりすれば壁を作る事ができます。

北側道路なら問題は少ないのですが

南側道路で縦長敷地だと南側からの日照は必要。壁も付けたい。

と相矛盾する要求でちょっと悩ましい問題です。

南側道路で縦長敷地だと窓か構造壁か二つに一つの選択が迫られていました。

この問題を解決できる商品を開発した人がいます。

次の「構造壁の作りにくい家で役立つ3つの方法」でご紹介いたします。

 

構造壁の作りにくい家で役立つ3つの方法

構造壁の作りにくい家でも開口を作ることが出来る方法と商品を紹介します。

スマート・ブレース

スマートブレースは窓があってもブレース=筋違を設けることが出来ます。

上の例の縦長の敷地のようなケースでも工夫してスマートブレースを設置すれば出入り口には出来ませんが窓ガラスの部分も構造壁にする事が可能です。

 

上の写真はブレースが目立つように加工しています。

もとの写真はブレースがほとんど気になりません。

この例だけではなく下のように様々な窓の開け方が可能です。

 

出典:株式会社ポラス暮し科学研究所

 

気になるのは価格ですね。ホームページには下のような記載があります。

スマート・ブレース
【標準品】  ブレース長さ2200mm    35,400円

ちょっと高いかな?

でも窓を取りながら構造壁に出来る=構造の強化が図れる。

というメリットを考えると決して高いものではないと考えます。

 

スマートブレースという商品を使わなくてもブレース=筋違を現しで使う方法もあります。

 

パルテノンTS

パルテノンTSはスマートブレースと同じ株式会社ポラス暮し科学研究所の商品です。

パルテノンTSは巾350mmと455mmがあります。

一般的な構造壁は910mmを最小単位としています。

上の縦長の敷地のようなケースでも開口部の残りの350mmや455mmの壁を構造壁にする事が可能です。

 

出典:株式会社ポラス暮し科学研究所

 

耐震サッシ窓用フレーム

耐震サッシ窓用フレームは窓やドアの左右と上部の三方に門型のフレームを入れて耐力壁と同様な剛性を持たせたものです。

出典:カスタムハウジング株式会社

フレームのサイズや木材相場、プレカット工場により木材費や加工費が変動するため一概にはいえません。金額に関してはお問い合わせください。

という事で価格の情報は問い合わせするようですね。

 

上に紹介した3つの方法のほかにも様々な工夫で

実質上の耐震強度を確保して快適な住宅にする選択肢があります。

 

耐震強度を向上する方法で耐震等級3の耐震性を確保して地震時に倒壊しない性能になったとしても大きな地震で部分的に損傷する恐れがないわけではありません。

耐震等級3でも

耐震強度を超える力が掛かると破壊されて元には戻りません

耐震強度が下がってしまった段階で再度大きな余震に合うと倒壊する恐れがあります。

熊本地震では震度6強の後に震度7の本震に襲われました。

今までにはない地震だったことに衝撃を受けました。

それ以上の事が無いとは言えないと感じています。

ここにも「耐震」の限界があると感じます。

 

制振・減震装置の種類とおすすめ

「耐震」による地震対策の限界についてお判りいただけたかと思います。

次に「制震」による地震対策について定番とおすすめについて書いて行きます。

制振装置の定番ミライエ・GVA(ジーバ)・オイルダンパー

制振装置は既に定番となっているミライエ・GVA(ジーバ)・オイルダンパーをご紹介します。

制振装置の定番ミライエ

ミライエは住友ゴム工業の製品です。

出典:住友ゴム

住友ゴムには高減衰ゴムを利用したビル用の制震装置を作ってきた実績があります。

その技術の応用で住宅用を開発したため住宅用の制振装置として最も早くから提供されてきました。

ミライエを採用しているハウスメーカーや工務店が多いことを感じています。

販売体制も現場での取り付け指導もしっかりしていて安心です。

140㎡程度の住宅でX方向Y方向各2基づつ4基を使用。30万円程度の価格です。

取り付け位置はメーカーの指示により決定されます。

歴史が長いので熊本地震でミライエを取り付けた住宅に被害がなかったという実績も報告されています。

制振装置の定番GVA(ジーバ)

出典:株式会社 アイ・エム・エー

ミライエのA型に対してダイヤ型の形態です。

スリーエムの制震材VEMを用いた制振装置です。

ミライエと同じように実績も多く一般に普及している製品です。

ハウスメーカーや工務店で採用しているところも多数あります。

35坪程度だと約8か所に設置します。

価格は一坪当たり1万円程度のようです。

 

制振装置の定番オイルダンパー

出典:日本制震システム株式会社

日本制震システムのMERシステムは自動車用のオイルダンパーの技術を応用したものです。

制振装置としては最も多くの会社が製造している形のものです。

エヴォルツ、Hiダイナミック、αダンパーEX、ウィンダンパーと言ったところが代表的なものです。

延床面積30坪で10~20本の使用で、一坪当たり1万円程度の価格のようです。

 

おすすめは摩擦ゲンシンパッキンUFO-E

摩擦ゲンシンパッキンUFO-Eの特徴を確認します。

  1. 基礎と土台の間に施工するので地盤から上部構造に伝わる地震力を減震する
  2. 阪神淡路大震災クラスの800galの大型地震を300~400galにまで減震
  3. 在来工法、2x4どちらにも施工可能
  4. 設計への制約がない
  5. 1階の揺れも減震出来る
  6. 施工が簡単
  7. 比較的ローコスト
  8. 床下換気機能あり

間取り作りをしていると特に4の設計への制約がないことがありがたいです。

耐震・制震・免震・減震のまとめ

耐震・制震・免震・減震について書いてきました。

1981年の新耐震基準以前から設計をしています。

大きな地震があるたびに耐震基準が変わってきました。

もうこれ以上の事は起きないだろうと思っていました。

ところが東日本大震災、熊本地震と地震に関しての考え方を根底から覆すような地震が起こりました。

これらの地震では「耐震」の重要性と限界が見えたように思います。

制震・減震・免震に関しての技術も向上して普及してきました。

あなたの家作りに最適なものを選んでください。

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