間取りのダイエット  注文住宅の予算オーバーからの脱出法10の提案

理想の間取りがやっとこさ出来上がり
施工業者に見積もりを依頼
ドキドキしながら待たされてやっと出た工事見積もり、、、
その金額が予算の110%、、、
120%130%の方も沢山いるはずです。
中には200%超えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
絶望感を抱えている
家作りが嫌になった
設計者や工務店が信用できなくなった
家作りを進めてきた家族にも怒りの矛先を向けたくなる
そのような方にお贈りする記事です。
心を落ち着けてしっかり考えてみましょう。
まだ運命はあなたの手の中にある事を忘れないでください。

 



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注文住宅の予算オーバー 1、2割は当たり前?

見積書
見積書

 

注文住宅はお客様の注文に合わせて設計をします。

当たり前ですね。

標準仕様ではないあなたのご希望を入れた設計になっているはずです。

見積金額は標準仕様で建てればだいたいの目安が付きます。

坪単価60万円とかいうあれです。

けれども盛りだくさんの特注部分があると

工務店でも見積もりを取ってみないとわからない。

という事になります。

「予算を標準価格+アルファ程度だろう」位で考えていると

あなたの希望を満載した設計が予算内で納まるはずがないとも言えます。

1、2割のオーバーは当たり前と考えるたほうが良いと思います。

 

ピンチはチャンス

 
予算オーバーは家作りを見直すチャンスです

病気になって生活の仕方を見直してその後の人生を豊かに過ごした

そんな話が有ります。

いま予算と見積もりの折り合いが付かないのは

とても不都合なことですが

計画を見直すことで変更前の計画よりも

これから先の人生にふさわしいものになるとしたら

それは良きことと考えられると思います。

 

予算オーバーへの対処を施工者設計者任せにしてはいけない理由

設計分離の場合

設計事務所に設計を頼んで

設計と施工を分離している場合

設計者はあなたの希望を聞いて図面を描いたのですから

あなたがこの家でどのような生活がしたいのか

理解しているはずですのであなたと一緒に

考えてくれるはずです。

ただ気を付けなければならないのは

設計者が施主の希望のほかに

自分自身の勝手なデザイン的な欲望を満たすことを優先するケースです。

未熟な設計者には少なくないので要注意です。

そのようなことに気が付いたら

設計者としての欲の優先順位を下げるようにしてもらってください。

 

設計施工の場合

設計施工の場合あきれるほどバッサリと

あなたの生活のビジョンの根幹にかかわる所を

切り捨てるような提案をしてきます。

決まり文句は「予算に合わせるためにはこうしなければいけません」

とやや高飛車に出ます。

気迫に負けて「お任せします」と言ってはいけません。

それはあなたの運命を手離して相手に渡してしまう事になります。

こんな時こそ次の項目を熟読ください。

 



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施主のための予算オーバーの対処法

あなたが取ることのできる予算オーバーの対応方法は

1、見積書を確認する

2、予算を見直す

3、仕様を見直す

4、間取りを見直す

5、施工者を見直す

といった方法が考えられると思います。

4番目の「間取りを見直す」が今回のテーマですが

残りの4つを簡単に説明します。

 

見積書を確認する

見積書は各会社独自のやり方で見積っています。

初めて見積書を見て「おかしなところがある」と

問題を発見することは困難です。

複数の会社から見積もりを取る「相見積もり」にしても

あきれるくらいに見積書の分類の仕方が違っていて

単純な比較がせきません。

とにかく見積もりを受け取ったら

その内容についてどうしてこのような価格になったかを

聞き出してください。

そのヒアリングの段階で

過剰に見積もった部分が明らかになる事もあります。

見積もり落ちに気づくこともありますが、、、

以下の作業は見積もりが正しいだろうという前提で進めることになります

そのために見積もりの全体像を開設してもらってください。

 

予算を見直す

予算を見直して建築に使える予算が増やせるのであれば

問題は少ないですね。

それが簡単に出来れば誰も苦労はしないです。

ただローンなどで過剰債務になるような事が無いように

慎重な検討が必要です。

「予算オーバーだ」と思うと

冷静な判断がしにくい状況でもあると思います。

信頼できるファイナンシャルプランナーなど専門家のアドバイスを受けて

慎重に進めることが必要です。

工務店から紹介されたファイナンシャルプランナーの場合

過剰ローンと知りながら無理を通してしまうこともあるので要注意です。

 

仕様を見直す

住まいへのこだわりは人それぞれです

外壁や内装などに関して

標準よりも高価な材料を使っている場合は

ワンランク下げるだけでかなりの調整ができたりします。

設備に関してもグレードの調整が可能なことがあります。

システムキッチン、ユニットバス、トイレなど

ショールームで勧められるままにグレードアップしていませんか?

その時は「ステキ」と思えましたが

価格はステキではなかったのです。

残念ですが全体のバランスを見て調整してください。

 

グレードダウンしてはいけない構造と断熱

注意しなければならないのは

壁紙やキッチンのようにグレードを下げても

命に別条のないところはクールに割り切って削ることをお薦めします。

けれども構造や断熱性能などの根幹にかかわる部分の

仕様に関してはグレードダウンしてはいけません。

安全と快適さを損なう事になります。

間取りを見直す

この記事の本題です。

出来るだけ望んだ生活を変えないでコストを下げる。

それを目標に知恵を絞っていきましょう。

次の項で詳しく説明します。

 

施工業者を見直す

[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”2.jpg” name=””]打ち合わせしていた工務店は
営業さんに話したことが設計士さんに伝わっていない事も多く
この会社に任せて大丈夫かな?と思っていました。
見積もりが予算オーバーで
内容を聞いてもあいまいな返事で不安に思っていました。
最近新築した友人に相談したところ
良い工務店だからと、紹介してくれました。
建築士さんが打ち合わせに来てくれて
予算内の見積もりになったうえに
諦めていたオプションも予算内で出来ます
と言ってくれました。
勇気は要りましたが工務店を変えて良かったと思います。
 [/speech_bubble]

施工業者によって見積もりも変わりますので

検討しても良い方法です。

見積もり調整の段階まで付き合ってこられて

担当者や会社の雰囲気や姿勢などが見えてきているはずです。

誠意のない姿勢を感じているのであれば

「予算オーバー」は業者を変えるとても良い理由になります。

あらためて施工者を探すのは時間と手間がかかりますが

これまでの経験で施工会社や担当者を見る目が育ってきているはずです。

きっとよい施工者を選ぶことが出来ると思います。

 

間取りを見直す

上にも書いた通り見積もり調整は計画を見直すチャンスです。

積極的に利用しない手はありません。

見積もりの調整が必要になった原因を

経済的なものだけでなく

現設計があなたにそぐわない部分がある

という観点から考えてみましょう。

自分に似合う内容に修正して行きましょう。

間取りのダイエット 基本は贅肉部分の縮小

最近の住宅には面積過剰の原因がたくさんあります。

面積が増える原因として気になっているものは

・シューズクロゼット

・ファミリークローク

・パントリー

・スタディコーナー

・室内干し

といった「家事を楽にする便利な部屋」です

これらの機能は数年前までは間取りに取り入れられることが少なかったものです。

とても便利なものですので急激に普及しています。

今までの家にそのまま付け加えると

4坪から10坪位の面積が加わることになります。

60万円/坪で考えると240万円~600万円になります。

間取りにこれらの部屋を追加している場合には

その機能のあった元の部屋の面積を調整考えましょう。

 

シューズクロゼット

シューズクロゼットは靴箱に代る機能があるので

靴箱の分だけ玄関の面積を減らすことが可能です。

家族や来客の人数を考えて

あなたの住まいの玄関の適正規模を再検討してください。

場合によっては

シューズクロゼットは要らない

というケースもあります。

 

ファミリークローク

ファミリークロークは寝室や子供室にあったクロークの一部を

脱衣室の近くなどの監理しやすい位置に集約したものです。

その分各個室のクロークの面積は調整することが可能です。

収納量を検証して適正な大きさにしましょう。

 

パントリー

パントリーは採用することで食品の保管場所が増え

買い物の回数を減らすことが出来るという

便利なアイテムです。

「パントリーは1畳分」というリクエストが少なくありません。

間取りの作りによっては通路などにとられる部分が多く

実際の収納の効果が薄いケースがあります。

また部屋として取ると動線を無駄に長くしたりして

それ自体は1畳でも大きな面積ロスにつながることがあります。

冷蔵庫の横に設ける750x400程度の収納スペースでも

高い効果があります。

キッチン全体の収納量から見直してみましょう。

 

スタディコーナー

スタディコーナーはリビングやダイニングに近い位置に

子供が宿題をしたりパソコンを置いたりする場所として利用します。

目的は子供が部屋にこもってしまうことなく

家族と一緒の部屋で過ごすという事です。

当然子供室の利用は寝る時と受験勉強の時だけとなりますので

それなりの作りに出来るはずですね。

何も考えずに子供室は6帖というように決めておいて

さらにスタディコーナーを付け加えていませんか?

「子供室の利用は寝る時と受験勉強の時だけ」

と考えてもう一度間取り上の位置と面積を

検討し直してください。

子供室の面積が減るだけでなく

廊下まで短くなったりします。

 

室内干し場

室内干し場を単独で設けるかどうかに関しては議論があるところです。

洗面室や廊下や利用頻度の低い部屋で兼用したりすることも検討できます。

新しく設ける機能は単純に増やすだけでなく

その機能が移動したものに関しては

元の部屋の大きさを調整する事を考えることが大事です。

間仕切りを無くす

FCL+洗面脱衣+パントリーの間仕切りを無くしてサニタリーに

水廻り1

間取りの打ち合わせで

洗面脱衣とFCLとパントリーが必要。

とリクエストを出すと

左のような間取りになる事があります。

その名前の付いた部屋が必要なわけではなく

その機能が必要だった場合

右のような間取りも考えられます

間仕切りやドアが無くなった分コストダウンが可能です。

一部屋にまとめたほうが機能的でおしゃれだったりすることもあります。

 

 

子供室の間仕切りを無くす

子供室同士の間仕切りは要りませんという

リクエストも最近増えています。

お子様が男児と女児の場合は初めから分離しておいた方が良い

という考え方もありますので

慎重に進めましょう。

 

子供室と寝室の間仕切りを無くす

お子様が2人で3人目が欲しいけど、、、、

どうなるか分からない。

そのような時に3人目のための子供室を設けておくのも

チョットリスクだったりします。

「セックスレスにならない間取り」の観点からすると

疑問があるかも知れませんが

将来子供室にする部屋と寝室を一体にして

子供が個室を欲しがるまでは一緒に寝るような

設計も可能ですね。

 

ドアを無くす

ドアも窓ほどではないですがコストの掛かる部材です。

コストダウンの方法として考えても良いアイテムです。

オープンクローゼットにする

クローゼットにはドア有るのがあたりまえ

という固定観念をちょっと変えると

オープンクロゼットでも良いかも。

検討してみましょう。

 

脱衣コーナーもカーテンで?

ある介護士さんのお宅の設計で

「脱衣室はドアでなくカーテンにしてください」と言うリクエスト

がありました。

介護の必要な方がいるわけではありませんが

人それぞれに普通が違うのだなと感じます。

お年頃のお嬢様がいなければ脱衣コーナーは

ドアで仕切らなくてもカーテンでも良いのかも知れません。

 

畳コーナーはロールブラインドで

リビングに隣接する和室。

使い勝手によっては間仕切りなしの畳コーナーの方が良い

という事もあります。

そのような時には襖で仕切るのではなく

ロールブラインドなどで仕切ることも考えられますね。

 

建物の凸凹を無くす

建物の凸凹を無くすのには平面的なものと立体的なものがあります。

両方実現すると四角の総二階になります。

「ありふれた形ですね」という声も聞こえそうですが

それなりの理由があるということを理解すると

ありふれたもの=陳腐なものではないとお判りいただけると思います。

 

平面の凸凹を無くす

現設計では

1階で寝室とダイニングが凸になっています。

寝室は2階へ移動して凸を無くしています。

ダインイング部分の凸は水廻りをサニタリーにまとめて

コンパクトにすることで凸を無くしています。

 

 

1階変更

2階は吹抜横の洋室部分が凸になっています。

これも階段とクロゼットの変更で凸を無くしています。

2階変更

 

 

 

立体の凸凹を無くす

立体の凸凹を無くすは

図の中央の一部2階状態を左の総2階のようにしようと

言う考え方です。

総2階

延べ床面積40坪の建物を

図の総2階と一部2階と平屋で比べた場合

屋根と基礎の面積が総二階に比べて

一部二階では1.5倍

平屋では2倍になります。

 

窓を減らす

「明るい家にしたい」と考えて窓をたくさん付けていませんか?

窓は壁に比べてとてもお金が掛かるものだとご理解ください。

それは建築時のコストだけでなく

建物の断熱性を下げることで冷暖房の費用がかさむ

というランニングコストの面でも金食い虫になります。

 

窓の基本は南を大きく西北東の3面は小さく少なく

光熱費を抑えて快適に暮らすための

窓の基本は南を大きく西北東の3面は小さく少なく

景色が良いとか抜けが必要とかの特別な理由がない限り

この原則で見直してみてください。

西北東の窓を減らしたり小さくしたりすることを検討してみてください。

 

間取りのダイエットまとめ

長い記事になってしまいました。

予算オーバーの対処の方法に関して

いくつもの考えがあることがお分かりいただけたと思います。

ピンチはチャンスです。

予算オーバーというピンチは

あなたにふさわしい家を考え見直すチャンスです。

不相応の広さであったり過剰な機能だったり

検討し直すことでより快適な生活を手に入れることが出来ます。

施工者や設計者に任せて運命を手放してしまわないで

自分の手でコントロールしてより良い未来を掴み取ってください。

また、この記事の内容が理想の設計から妥協することばかりと

ガッカリした方もいらっしゃると思います。

どれも受け入れることが出来ないとお考えになるかも知れません。

予算内に納めるために希望する生活の根幹部分をバッサリと切り捨てるような

工務店の設計者に

様々な提案でディール・交渉して行くことも必要だと思います。

そのためには交渉の弾が必要です。その一助となれば幸いです。

お困りの方は左のメールフォームから

当ブログの{家作りなんでも相談室」もご利用ください。

 

この記事を書いた人

atoriekojima