子供部屋のレイアウト大きさは6畳?5畳?4.5畳?傾向と考え方、最小面積は?

注文住宅や建売住宅の子供部屋は

6畳で1間間口のクロゼット付きというのがスタンダードでした

一昔前まで多く計画されてきた形です

今でも建売住宅や売り建て住宅のベースとなっています

これを見直して小さくする方向への動きが有ります

実例を挙げて見て行きましょう



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子供部屋の比重が小さくなるのはなぜか?

子供は日常はLDKで生活し子供室は寝る時と受験勉強の時だけというような

考え方が主流に成ってきているように思います

そのように変化して行くいくつかのきっかけがありました

子供室偏重の歪が非行の原因とされた 「子供をゆがませる『間取り』」

2001年に横山彰人氏の「子供をゆがませる『間取り』」が出版されました。

1997年に『酒鬼薔薇聖斗事件』を起こした中学生の自宅が

玄関ホール型の階段で2階の子供室から玄関まで気づかれずに移動できる間取りだった

ことなど家族のコミュニケーションが希薄になりがちな間取りと

少年犯罪の関係を述べています。

 

子供とのコミュニケーションや人間関係は親の責任でやって行けば良くて

間取り作りの建築士に言われたく無いという当然の反論もあり

ごもっともだと思います

 

家族のコミュニケーションを重視した「頭の良い子が育つ家」

子供をゆがませる『間取り』は暗い面を取り上げていますが

間取りと暮らしを関連付けて考えることに一石を投じました

この本以降「頭の良い子が育つ家」「家族の絆を作る家」ほか

多くの間取りが家族に及ぼす影響に言及した出版が流行しました

 

「頭の良い子が育つ家」では

子供が子供室にこもって勉強するのではなく

家族と一緒に和気あいあいと生活する中で

勉強したり遊んだりした子供が

はつらつと生きる中で有名中学の受験に成功したという事例をあげ

子供室を孤立させない、父親や母親や兄弟と一緒に過ごす

心地よい場所が重要であるという内容です

 

子供部屋の比重を小さくする2つの原因

間取りの中で子供部屋が小さくなる原因は以下の2点です

1、LDKにスタディコーナーを設けるようになった

「頭の良い子が育つ家」で見るように

LDKで親兄弟と過ごす時間が多いほど

子供の気持ちは安定して豊かな心に育つ

 

具体的にはスタディコーナーなど子供がLDKで過ごす

拠り所を設けることが多くなりました

 

2、収納が大きくなった

シューズクローク、ファミリークローク、パントリーなどの収納を設けることが

最近の間取りの傾向です。

収納の面積が増えた分だけ延床面積を増やすという訳には行きません

もちろんLDKを削ることも出来ません

そこで子供部屋にしわ寄せが行きます

 

家族の生活の中で子供部屋に対する要求が減っているところですので

丁度良い調整場所とも言えます。

 

子供室が必要な期間はごく短い

乳幼児は親の寝室で寝かせることがあたりまえです

一時期子供は早いうちから子供室に一人で寝かせる方が

自立心が育って良いという説が欧米中心にありました

 

最近は子供が自発的に「一人で寝る」というまでは

親と同じ寝室に寝かせたほうが子供の情緒が安定するので良い

という説が優勢のようです

 

子供子供室を利用する期間は様々です

短い場合には小学校低学年まで親と一緒に寝て

高校を卒業して都会の大学に行って独立生活をして

そのまま就職をして戻ってこなかった

というような場合10歳から18歳までのたったの8年間になります

 

子供が結婚して巣立ってしまうと

子供室は子供が新居に持って行かなかった荷物を置く

タイムカプセルのようになってしまいます

 

日当たりの良い気持ちの良いところに

子供室を作りたいという親心は良いのですが

子供が巣立ってからもずっと住み続ける親の部屋の環境を犠牲にしても

子供室を重視する必要はないと思います。

 



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子供室の大きさとレイアウト

子供部屋の大きさは敷地や予算など

様々な要素を検討する中で決まってきます

多くの場合6帖、5帖、4.5帖といった大きさになりがちです

その大きさについて確認して行きましょう

子供部屋6帖+1帖の収納

子供部屋6帖

6帖+1帖の収納という子供部屋はこれまでのスタンダードだったと言えます

ベッドや机や本棚などはある程度の余裕を持って配置できます

建売など利用者の使い方が分からない場合には

洋室6畳という部屋名になっている事も少なくありません

子供部屋5帖+収納

子供部屋5帖

前項の6帖の幅を狭くした5畳です

6帖と同じような家具配置をすることが出来ます

子供部屋5帖2

上の5帖の場合、部屋には5畳と書いてありますが

ドアの部分が使えないので実質的には下の項の4.5帖と同じ使い方しかできません

気を付けて確認しましょう

上と同じ大きさでも下のようにすると部屋を有効に使う事が可能です

子供部屋5帖3

子供部屋4.5帖+収納

4.5畳になるとドアの位置や窓の位置などと

ベッドや机などの家具と干渉することが少なくありません

図面上で家具をレイアウトしてみて確認することが必要です

子供部屋として使える最小面積は?

子供部屋の最小面積はどれくらいでしょうか?

子供部屋4.5帖収納込み

時々見かけるパターンです

面積や予算がオーバーして収納込みで6帖だったものが

4.5帖にカットされるとこのようになります

子供部屋4.5帖収納込み
子供部屋4.5帖収納込み

このパターンで気を付けなければならないのは

クロゼットのドアです

下の例のような折れ戸を付けると

引っ越してベッドと机を入れた後に折れ戸が開かない事に気づきます

ドア無しのオープンクローゼットか引違戸にしておきましょう

子供部屋4.3帖収納込み

上の例の改善タイプです

奥行方向を2730から3185に増やして

巾方向を2730から2275に減らしています

面積が小さくなってもクローゼットのドアを折れ戸に出来ます

折れ戸に出来るというのはクローゼットの前に立って収納の作業ができる

という意味が有ります

子供部屋4.3帖収納込み
子供部屋4.3帖収納込み

子供部屋3.7帖収納込み

私が学生時代に過ごした部屋がこれです

子供部屋3.7帖収納込み2
子供部屋3.7帖収納込み2

ベッドと物入れは大工さんによる造作です

ベッド下に物入れが付いて天袋がありました

押入れに寝ている感じです

置き家具にしたのが下の図面になります

子供部屋3.7.3帖収納込み
子供部屋3.7.3帖収納込み

狭小敷地で何とか生活しなければならない場合や

共有のプレイルームを大きく取って個室を小さくしたときなどの

参考になると思います

間取りで子供部屋を改善するヒント

間取り図を見て洋室6帖と書いてあったら

使い勝手を考えていない可能性があります

寝室と子供室は使い勝手が違います

大きさや配置にメリハリを付ける事で

使いやすくできることがあります

よく確認して見てください

子供の人数が決まっていない場合の対応策

住まい手が若いご夫婦の場合

お子様の子供の人数がまだ決まっていない事が少なくありません

設計途中で子供部屋が2室から3室に

設計の大分進んできたある日

友人であり施主であるOさんから電話で

「子供室もう一部屋増やしてください」との連絡

始めは「❓」と思いましたがすぐに気が付きました

おめでたい話ではないですか❕

延床面積を大きく増やすことが出来ないので

2つの子供室を3つに分割しなおして

息が詰まらないようにロフトをを設けたりして

エアボリウムを増やすことにしました

寝室+フリースペースで部屋数調整可能な間取り

寝室+フリースペースで部屋数調整可能な間取り

子供室変更バージョン
子供室変更バージョン

将来間仕切りする場合の注意点

今回のケースだけでなく複数の子供室を間仕切りを入れないで

将来間仕切りを入れて使うという考え方が一つの流行となっています

間仕切りの仕方によっては

・窓の位置

・スイッチやコンセントの位置

などは当初から想定しておかないと意外に手間や費用が掛かってしまう事にもなりかねません

注意したいポイントです

28坪3LDKフリースペースで子供部屋の数を調整できる南西角地の家

まとめ

住まいに関しての考え方は日進月歩で変わって行きます

子供部屋に関しても考え方が大きく変わってきています

しっかりと「ご家族の在り方を考えどんな生活をしたいか」

に則った間取り作りにしたいですね。

 

この記事があなたの家作りのお役に立ちますことを願っています。

この記事を書いた人

atoriekojima