建築家紹介センターの仲里様のインタビュー(2016年2月)

・貴社がセカンドオピニオンを手がけるようになったきっかけがありましたら教えて下さい

5年ほど前からYahoo知恵袋で住宅に関しての質問に対して回答していました。その中には間取りに関しての質問も少なくありません。多くの間取りはそれが実現してしまったら将来後悔することに成るだろうと思われるものでした。言葉での改善案では解決にならないので間取り図を示して回答しました。

・セカンドオピニオンとはどういう意味ですか?

まずはウィキペディアを引用させていただきます。

セカンド・オピニオンSecond opinion)とは、よりよい決断をするために、当事者以外の専門的な知識を持った第三者に求める「意見」、または「意見を求める行為」のことである。(中略)日本においては主に医療の分野で用いられる用語(以下略)

最近では間取り作りにも用いられるようになって来ましたが五年ほど前にはあまり一般的ではありませんでした。言葉を検討していく中でインターネットの検索で何件かの使用例もあったので採用することにしました。

間取りのセカンドオピニオン”をうたうサイトには大別すると

  1. 言葉だけで表現するもの
  2. 原案の間取り図に赤ペンを入れるもの
  3. オリジナルの間取りを提案するもの

があります。基本が出来ていない間取り図に12の方法では解決できません。”間取りのセカンドオピニオン”とはいえども建築のプランニングですからコンセプトを持って外部、内部のデザイン、構造、設備への配慮も行っております。

・具体的にどういうことをやっていただけるのでしょうか?

当社では、一般の設計と同じように敷地条件、お客様の希望等をお聞きしてオリジナルのプランニングを行います。各階平面図、外観パース、内観パースなどで設計の意図を読み取っていただきながら、納得できるまで何度でも変更して打ち合わせして進めて行きます。

多くのケースでは時間の制約があり半月から1ヶ月くらいで完了しますが。時間的に余裕のある方は半年以上かかって納得のいく内容になったと言うケースもあります。

一般の建築事務所と違うのは現地にうかがうことが出来ないこと、模型やサンプルの物体の提示が出来ないことです。これは、九十九里地方で田舎暮らしをしているため交通の便が悪くどこに出るにしても時間の制約が大きいためです。

・料金はどれくらいでしょうか

業務を進める上での制約があることから一律5万円の定額で行っています。時間給の計算はしていませんが中里様が心配してくださるように事業的な採算に合うものではありませんが三度のメシよりプランニングが好きなので楽しみながらやっております。「セカンドオピニオンを頼んでよかった」と言っていただくことが最高の報酬です。

・全国に対応していただけるのでしょうか?

北海道旭川近郊から鹿児島県屋久島まで全国各地からのご依頼に対応してきました。豪雪地帯や極寒の地域など個人的に経験したことがなく判断が出来ない場合にはそれぞれの地域の仲間への問い合わせなどで対応しております。

・メールのやり取りだけで間取りを作ってもらうこともできますか?

メールの他に無料で使える「クラウド型ビジネスチャットツール」のチャッワークというツールを用いています。

パソコンだけでなくスマホでも使えて図面や写真などの大きなデータのやり取りが簡単に出来ます。

共稼ぎ子育て中といった時間が取れないお客様でも24時間いつでも連絡を入れておけるので助かります」

と評価いただいております。

・間取り以外の相談にものっていただけるのでしょうか?

現地に赴くことが出来ないという制約がありますが可能な限りのことを誠心誠意勤めさせていただきます。

・現場のチェックをしてもらうこともできますか?

残念ながらいたしかねます。今までのお客様で意外と多かったのが大工さんや内装やさんといった建築工事関係者のご家族で工事に関してのチェックが不要という方です。そのほかにも既に工務店、ハウスメーカーが決まっているなど現場監理が不要なケースがほとんどです。先日、間取り作りが完了した方が「監理してもらえる建築士を探している」とのことでしたので建築家紹介センターを紹介させていただきました。

実績はありますか?

「インターネットで間取りを作る」仕事を始めて5年になります。約110件ほどのプランニングをさせていただきました。敷地条件、希望事項など一つとして同じ物は在りません。そのたびに産みの苦しみと喜びを味わって来ました。その経験によって得たことが「設計のポイントをつかむこと」です。敷地をどのように使うか、希望されている生活はどのようなことでどうしたら実現できるか。そのポイントが打ち合わせの初期に見えてくる様になったことです。これが出来ないと「お客様の納得」はえられません。「何度打ち合わせしても思ったような設計にならなかったのにどうしてこんなに短期間で出来たのですか?」と驚かれます。「かゆいところが分かって、そこに届くツールを持っている」ということが大事だと思います。

作品の傾向は?

お客様の理想を実現することを目的として業務を行っていますので当社の作品という考え方はしていません。お客様のお好みに合わせて和風でも北欧風でもシンプルモダンでも様々なスタイルが可能です。特にそのようなご希望が無い場合には、日照、通風などの環境や使い勝手から来る合理的なプランニングと構造から来る形態と、さらに耐久性、メンテナンス性などを考慮し、お客様のテーマに合わせた物語を大切にしたデザインを考えます。状況によってはいくつかのデザインの可能性を提示してお好みの確認を行うこともあります

好きな建築家は吉村準三です。

この記事を書いた人

atoriekojima