1階床面積 93.24㎡ 28.21坪
延べ床面積 93.24㎡ 28.21坪
車いす対応の越屋根のある平屋建ての家
車椅子対応を詳細に見れば様々な配慮が必要です
間取りの段階で配慮しなければならないことがあります
今回、間取り制作上配慮した点は
・玄関の段差にスロープを設ける
・玄関に室内用車いす置き場を設ける
・廊下巾を1213(4尺)
・トイレ巾1061(3.5尺)
・各室の引き戸開口巾有効800
・浴室入り口を三枚引き戸にする
等です。車いすでもストレスなく生活できるように考えています。
配置計画
間口約10m奥行24mの南北に細長い北側道路の敷地です
道路に直角に2台の駐車スペース
ゆったりしたアプローチにスロープを設けます
南側に庭を取る余裕があり日照に問題ない配置が可能です。
1階平面計画
南側にLDKを取り寝室を北側に取ります
水廻りは西の中央に取り、廊下は中廊下となります
廊下は車いすの移動を考えて幅を4尺=1213としています
外壁に面することのない中廊下の採光は
越屋根を設けハイサイドライトで採光します
動線計画
キッチンは横並びとして配膳動線を短くしています
キッチンの作業の延長に洗面脱衣室の洗濯機を置いています
洗面脱衣室は3畳の大きさで室内干しが可能です
採光計画
越屋根
茨城県民家外観
茨城県民家内観
出典:茨城県古民家再生協会
越屋根は古民家や寺院の庫裏などの内部に採光する古来からの手法です
吹抜の2階を小~さくしたようなものですね
そのため構造は単純で納まりの問題などは少ない方法です
日照と通風
日照
LDKは南に掃き出しの大きな窓を設けて大きなダイレクトゲインを得られるようにしています。
通風
通風を意識して各室は出来るだけ2面に窓を設けるようにしています
1階のLDKは越屋根の吹抜けを通じて通風が得られます
収納計画
必要な部分に必要な収納を設けるように考えています
延べ床面積の10%の収納が確保できています
外観デザイン
和風のデザインがご希望でした
平屋の中央への採光を確保するため越屋根を付けてデザインのポイントにしています
玄関上の庇と外壁に腰を付けることで外観が引き締まったと思います
内観デザイン
LDKと一体になった和室と、越屋根のハイサイドライトによる中廊下への採光がポイントです
ハイサイドライトに関しては下の記事に詳しく書きましたご覧ください
ハイサイドライトとは?有効な利用法、デメリットと対策(建築士の道具箱)
まとめ
車いす対応で廊下に幅を「間崩れ」して広くすると建物全体に影響しがちです
今回は水廻りと廊下の部分だけを「間崩れ」にして全体的には3尺モジュールを通すことが出来ています
古民家にも使われている越屋根でハイサイドライトを設けました
和風好みの住まい手に長く寄り添う建物になってほしいと願っております